蘇民祭が気になる人
・JRが蘇民祭のポスターを「きわどい描写」を理由に掲載を拒否したって本当?
・そもそも蘇民祭ってどんなお祭りなの?
こんな疑問を解決します。
蘇民祭は裸祭とも呼ばれている岩手の奇祭で、平安時代には既に現在の原型が完成していたとされており、古祭としても知られています。
この記事を読むと、今と昔の蘇民祭の違いや、蘇民祭のポスター掲載拒否問題について知ることができますよ。
目次
“蘇民祭”の今と昔を動画で比較!変化はあるの?
裸祭とも呼ばれている岩手の奇祭”蘇民祭”は古祭としても知られ、平安の時代には既に現在の”蘇民祭”の原型が完成していたとされています。
「昔」といっても30年程度前の映像になりますが、“蘇民祭”に変化があるのか近年の映像と比較してみましょう。
まずは2019年の”蘇民祭”の様子をご覧ください。
続いて1988年の”蘇民祭”の様子です。
(編集されているため、ナレーションが聞き取りにくい部分があります。)
平安の時代から続く「古祭」なので数十年単位ではあまり変化が見られないのは仕方がないことかもしれませんが、お祭りの主な流れ(裸参りから蘇民袋争奪戦まで)は変化していないのがおわかりいただけるかと思います。
昔の映像を見ていて気になったのは、ズボンを履いて参加している方が多いという点です。蘇民袋争奪戦においては上着を着て参加している方もいます。
近年になり、お祭りが注目されるようになり『見栄え』を意識するようになった結果の変化なのでしょうか。
HPなどに服装に関する記述は見当たりませんでしたが、蘇民袋争奪戦に参加する方は各自で下帯・足袋を用意するようにとの記載がありました。
今では、裸にふんどし姿の男性ばかりの印象ですが、およそ30年前はズボンや上着を着用して参加している方も一定数いたようです。
JRが”蘇民祭”のポスターの掲載を『きわどい描写』を理由に拒否したって本当?
JR東日本は、2008年に作成した蘇民祭のポスターについて「女性客に不快感を覚え、セクシャルハラスメントに該当するおそれがある」として駅構内へ掲載を拒否しています。
【岩手・黒岩寺蘇民祭】<旧正月7日~翌日早暁>2008年のポスターがセクシャルハラスメントに該当する恐れがあるとしてJR東日本に掲示拒否された事件が有名。地元住民以外も参加できるが、一週間の精進潔斎を行わなくてはならない。 pic.twitter.com/6nMDvDILZn
— 奇祭ファン倶楽部(KFC) (@clubkisai) August 24, 2018
このポスターの掲載拒否については当時から様々な意見が見受けられました。
結局ポスターは撤去されていましましたが、件のポスターに写っていた方が『どのような形であれ”蘇民祭”を知るきっかけになってもらえれば良い』とうコメントを残されているのがとても印象的です。
この問題以降、蘇民祭のポスターは毎年注目を集めています。
そもそも”蘇民祭”ってどんなお祭りなの?
蘇民祭とは、旧正月7日に五穀豊穣や無病息災を祈って行われる1,000年以上の歴史があるお祭です。(この記事では”黒石寺蘇民祭”に限定してご紹介していますが、岩手県内には複数の蘇民祭が存在しています。)
引用元:奥州市ホームページ
黒石寺蘇民祭とは、奥州市水沢にある妙見山黒石寺にて旧正月7日に五穀豊穣、無病息災を祈って行われる、1,000年以上の歴史を有しているお祭です。
また、蘇民祭は次のような流れで進行されています。
蘇民祭行事 | 内容 |
---|---|
裸祭り(夏祭りまたは祈願祭り) | 鐘の合図で社務所前に集まり、各自角燈(四角ともいう)と割竹にはさんだ浄飯米(おはんねり)を持ち、瑠璃壺(るりつぼ)川(山内川)で身を浄め、薬師堂、妙見堂を巡り、五穀豊穣、災厄消除の祈願を行います。 |
柴燈木登 | 鐘の合図で行列をつくり腰をかがめて、「イヨーイヨー」の掛け声で、柴、たきつけ、ごま殻、塩をもって進みます。 本堂前に前日に生松割木積み重ねて火を焚き、若人、群集は裸になり柴燈木の上に登って火の粉をあびながら山内節(やまうちぶし)をうたい気勢をあげ祈願します。 |
別当登 | 鐘の合図で社務所に集まり、手木(祓棒)が祓人(はらいびと)に配られ、別当(住職)並びに蘇民袋を捧げもった総代が守護役、祓人に前後を守られ、護摩焚き供養を行い、参拝者、祈願者に護摩を授けます。 |
鬼子登 | 檀家の7歳になる男子2名に麻衣を着せ、籠手をつけさせ、木槌(さいづち)を持たせ、鬼面を逆さに背負わせ、素裸で水垢離(みずごり)をとりとった大人に背負われ薬師堂に登り、参拝します。 |
蘇民袋争奪戦 | 蘇民袋(そみんぶくろ)争奪戦(蘇民ねじり又は蘇民びきともいう)が始まります。袋を奪った者の地が五穀豊穣が約束されるといわれています。 |
引用元:奥州市ホームページ
岩手の奇祭”蘇民祭”今と昔を動画で比較!きわどいポスターをJRが掲載拒否のまとめ
蘇民祭の今と昔の映像を比較すると、服装に違いがあることがわかります。30年ほど前は、裸にふんどし姿ではなく、ズボンや上着を着ている方が参加している様子も見て取れます。
また、JR東日本は、2008年に作成した蘇民祭のポスターについて「女性客に不快感を覚え、セクシャルハラスメントに該当するおそれがある」として駅構内へ掲載を拒否しています。
それ以降、蘇民祭のポスターには注目が集まっています。
この記事は以上です。
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